はやぶさ2 再突入カプセル地球帰還取材(3) 相模原市民会館 カプセル帰還パブリックビューイング

 2020年12月6日未明、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は『小惑星探査機はやぶさ2』の地球帰還カプセルの大気圏突入時間が迫ってきた。突入するその様子を相模原市民会館ホールで行われているパブリックビューイング会場で取材した。

パブリックビューイング会場である相模原市民会館

 日付が変わった夜中にもかかわらず、会場には約350名がカプセルの帰還を見届けに集まっていた。年齢層もバラバラで、翌日が日曜日なのもあって小学生の親子連れも多く訪れていた。

開会のあいさつをする本村賢太郎相模原市長

 パブリックビューイングは、本村 賢太郎(もとむら けんたろう)相模原市長のあいさつから始まり、引き続きJAXA宇宙科学研究所 村上 豪(むらかみ ごう)助教によるミニ講演会「ついに地球帰還!『はやぶさ2』の旅を振り返ろう」が行われました。

JAXA 宇宙科学研究所 村上 豪助教。水性探査計画BepiColomboプロジェクトサイエンティストとして衛星開発や運用計画の取りまとめを行っている

 02:00からはJAXAのライブ配信に繋いで帰還カプセルの大気圏突入を見守ります。

 予定時刻の02:28:49、画面を食い入るように見ているがなかなか火球は現れず、やきもきした空気に包まれかけた瞬間『きた!』との声と同時に画面右側からすーっと移動する火球が画面に現れると、会場内は割れんばかりの拍手と「おかえりなさい」の声が響き渡りました。

帰還カプセルの火球が見えた直後のパブリックビューイング会場

 JAXAの中継は繰り返し火球の映像を流し、その中でも火球をクローズアップした映像が流れると、ふたたび拍手と歓声につつまれました。

オーストラリア クーバーペディ付近から撮影した火球 (Credit: JAXA)

 中継終了後、再度来場者で拍手をして無事の帰還を祝いパブリックビューイングは終了した。「カプセルが無事日本に戻ってきて砂が入っているといいですね」とは対応していた会場の方の言葉。はたして…。

(文:岡澤知行)