H-IIA 40号機コア機体公開

H-IIA 40号機の概要

2018年9月19日(水)、H-IIAロケット40号機のコア機体の報道公開が、愛知県海部郡飛島村の三菱重工飛島工場で行われた。
H-IIAロケットは、大きく分けて第1段・第2段・段間部・フェアリング・固体ロケットブースタ(SRB)からなっているが、コア機体はこのうち第1段・第2段・段間部の機体を指す。

左の機体:第2段フェアリング側、右側の機体:第1段エンジン側
左側の機体:第2段フェアリング側、右側の機体:第2段エンジン側および段間部

今回の機体の段間部には「いぶき2号」のデカールが貼られているが、衛星名と上下の帯の部分は一般から募った応援メッセージを、図形の形に配置している。

段間部のデカール

搭載衛星について

40号機で打ち上げられるのは、以下の衛星である。

主衛星(2機)

  • 温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」(GOSAT-2)(JAXA)
  • 観測衛星「KhalifaSat(ハリーファサット)」(モハメド・ビン・ラシード宇宙センター:MBRSC)(ドバイ)

小型副衛星(4機)

  • DIWATA-2B(東北大学)
  • 地球低軌道環境観測衛星「てんこう」(九州工業大学)
  • Stars-AO(静岡大学)
  • AUT cube2(愛知工科大学)

このうちハリーファサットは、H-IIAとしては3機目の商業打ち上げになる。
発注時は先端科学技術研究所という名称だったのでその名前で記憶している方もいるかも知れないが、MBRSCはその後継機関である。
今回の機体の特徴として、22号機以来5年ぶりのデュアルローンチである点が挙げられる。間が空いているが仕様の変更はなく、搭載コンピュータのパラメータを衛星質量等に合わせて調整したのみであるとのことだった。

H-IIBで発生した液酸バルブ不具合の影響

ここで気になるのが、先日のH-IIB 7号機の延期原因となった第2段液体酸素系のバルブの件である。
この機体にも同型のバルブが搭載されているが、現在のところ交換はせず、ひとまずスケジュール通りに種子島に運ぶとのことだった。
これは交換しないということではない。原因が明確になったところで改めて対策が必要かどうかを判断し、必要ならば交換を行う手筈となっている。交換となった場合の作業は種子島で実施できるとのことだった。

機体は9月21日(金)に飛島工場から船で運び出され、23日(日)に種子島・島間港に到着、その夜のうちに陸送される予定である。

(記事:金木利憲)