日本人宇宙飛行士搭乗「クルードラゴン」宇宙船の打ち上げ成功

2021年4月23日18時49分(日本時間)、スペースX社の宇宙船「クルードラゴン」運用2号機を載せたファルコン9ロケットが、アメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センターから発射されました。飛行は順調に進み、打ち上げからおよそ18分後、無事に軌道投入されました。クルードラゴンは民間機のため、飛行管制はスペースX社の担当となります。

「クルードラゴン」運用2号機を載せたファルコン9の打ち上げ(画像:NASA TV)
クルードラゴンの分離。拍手が起きた。(画像:NASA TV)

宇宙飛行士は23日15時34分から発射台に移動し、宇宙船に乗り込みました。各種点検や確認を済ませ、16時40分にハッチが閉じられ、打ち上げに臨みました。

射点に向かう星出彰彦宇宙飛行士。着用しているのはクルードラゴン用の船内服「スペーススーツ」(画像:JAXA)

今回は4名の宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)に送り届けるミッションですが、この中には日本人宇宙飛行士の星出彰彦(ほしで・あきひこ)さんが含まれています。星出さんはこれが3度目の宇宙飛行で、最初がアメリカのスペースシャトル、次がロシアのソユーズ、今回がクルードラゴンと、全て違った宇宙船に搭乗しています。
3機種に乗る日本人宇宙飛行士は、現在ISSに滞在中の野口聡一(のぐち・そういち)宇宙飛行士に続いて二人目となります。ISSへの到着はおよそ23時間後、日本時間で4月24日夜の予定です。到着の様子はNASA TV、JAXAチャンネルで中継されることになっています。無事に到着すれば、2010年の野口さんと山崎直子(やまざき・なおこ)さん以来11年ぶりとなる、日本人のISS同時滞在が実現します。

今回注目されたのは、宇宙船本体が再利用されたものであるという点です。試験1号機で人を乗せて飛行した本体を点検・整備の上で用いています。この本体の飛行は2度目で、再使用できる有人宇宙船が飛行するのはスペースシャトル以来のこととなります。

打ち上げを見守ったJAXA尾藤日出夫(びとう・ひでお)特任担当役は「見事だった。ファルコン9は本当に安定している。期待通りの打ち上げで安心している。」、同じく有人宇宙技術部門の辻本さんは「射場作業が担当だった。ロケットの打ち上げ成功はほっとしている。一方クルードラゴンとしては今からISSに行くまでが本番なので、ドッキングまで順調に行くように祈っている」とのことでした。

記事:金木利憲