2018年7月23日、愛知県の三菱重工飛島工場で、H-IIBロケット7号機(H-IIB F7)の報道向け機体公開が行われた。
6号機までと基本的な機体構成は変わらないが、一部に変更と追加がある。
・変更点:H-IIAにて適用済みのコストダウン項目を適用(例:部品の共通化:2段ヘリウムレギュレータをH-IIAと同型のものに変更、等)
・追加:ロケット再突入データシステム(第2段が大気圏再突入する際の空力加熱データや加速度の変化を計測するためのシステム。JAXA開発品)を第2段機器搭載部に搭載
追加になった「ロケット再突入データシステム」であるが、従来データに乏しかった再突入時のデータを得ることで今後のH-IIA/B、H3の改良・開発に活かせるデータの取得を目的としている。
搭載部位は、第2段タンク下側、エンジン取付部に近い機器搭載部である。
H-IIBは高度約300~400kmと、比較的低い軌道に用いられることから2号機以降制御落下が行われており、飛行プロセスや落下までの軌道が正確にわかることから、このデータシステムでデータを取得するには条件がよいということだった。
白い円筒形がロケット再突入データシステム
搭載位置
機体は7月25日に船に搭載されて種子島の島間港に向かい、27日に種子島宇宙センターに搬入、およそ40日の組み立てオペレーションを経て、9月11日朝、国際宇宙ステーション補給機「こうのとり7号機」を載せて打ち上げられる予定である。
記者向け説明を行うH-IIA/H-IIBロケットプロジェクトマネージャの徳永氏(左)およびH-IIA/H-IIBロケット打上げ執行責任者の二村氏(右)