南種子町が運営する公式見学所の閉鎖措置が、2020年5月11日より始まった。 厳重なバリケードで封鎖しており、期間は打ち上げ終了までとなる。
来る5月21日にH-IIB 9号機/こうのとり9号機打ち上げが予定されていることに伴う措置で、先の記事 (H-IIB 9号機打ち上げ見学に自粛要請) で書いた自粛要請に実効性を持たせるための措置と思われる。
閉鎖されたのは、南種子町が管理する長谷展望公園、前之峯陸上競技場、宇宙ヶ丘公園、恵美之江展望公園の4ヶ所全てである。
Facebookページでの告知によると、バリケードを越えての立ち入りを「 閉鎖している柵より敷地内への立ち入りを厳禁とさせていただきます。」としているほか、「立ち入りされてカメラ機材などでの『無人撮影設置』についても発見次第、没収・破棄処分とさせていただきます。」という非常に強硬な措置が発表されている。
厳重な封鎖と強硬な措置の予告は、「自粛」をお願いするしかできない中でなんとか明確に「禁止」の意思表示をしたいと考えた末の結果だと取っていいだろう。
種子島の医療資源は少ない。見たいという気持ちは理解するが、いまはその時ではない。「明確に禁止されているわけではないから、行って見学場以外の場所で見ればいい」などという、自己中心的で甘えた考えは捨てて欲しい。
緊急事態宣言の延長を受け、南種子町ホームページには種子島宇宙開発促進協議会名義で新たな声明が出た。この 協議会 は、会長を南種子町長、副会長を西之表市長と中種子町長が務める。種子島の一市二町の行政の長がトップであることから、打ち上げ見学に関する限り、種子島の総意と言っていい。一部を引用する。
ご承知の通り、我々の住む種子島は、高齢者が多く、医療機関も少ない状況にあり、感染症が発生すると、島全体が生命の危機にさらされてしまいます。
これまで同様、種子島への来島は控えてくださるよう、お願いいたします。
全文は南種子町HPトップに掲載中 http://www.town.minamitane.kagoshima.jp/
世の中が落ち着いたら、その時こそ堂々と打上げを見に行こう。
(記事:金木利憲)