JAXAは、2026年10月18日14時からの記者説明会において、現在打ち上げ準備を進めているH3ロケット10号機/MMXの打上げ時刻を発表しました。以下、時刻は全て日本時間、24時間表記で記します。
打ち上げ日時:2026年10月20日(火)4時41分03秒
打ち上げ予備期間:10月21日(水)~2026年11月9日(月)
機体移動時刻:10月19日(月)13時30分
なお、現在のところ準備は順調に進んでいます。また、延期の場合の打上げ時刻は、その日ごとに決定となるとのことです。
その他、打ち上げ可否判断(GO/NOGO判断)のタイミングなどは以下の画像をご参照下さい。

画像:JAXA
打ち上げ後の主要シーケンスを以下にまとめます。第2段エンジン第2回燃焼以降の時刻は打ち上げ日によって変わるため、ここでは10月20日の場合を記載します。
| イベント | 打上後経過時間(時:分:秒) |
| SRB-3第1ペア分離 | 0:01:56 |
| SRB-3第2ペア分離 | 0:01:58 |
| 衛星フェアリング分離 | 0:03:17 |
| 第1段エンジン燃焼停止 | 0:04:52 |
| 第1/2段分離 | 0:04:59 |
| 第2段エンジン第1回燃焼開始 | 0:05:12 |
| 第2段エンジン第1回燃焼停止 | 0:10:40 |
| 第2段エンジン第2回燃焼開始 | 1:03:57 |
| 第2段エンジン第2回燃焼停止 | 1:10:21 |
| MMX分離 | 1:11:12 |
※表は『2026年度ロケット打上げ計画書 火星衛星探査機(MMX)/H3ロケット(H3)』を参考に作成
今回のH3ロケットの機体構成は24Lです。Lはロングフェアリングを表します。
実フライトとしては初めてのロングフェアリング搭載機となり、成功すればこれで第一段のLE-9エンジン機数、SRB-3の本数、フェアリングといった、全機体構成のモデルが揃うことになります。
このことについて、JAXAH3ロケットプロジェクトプロジェクトマネージャの有田さんは「フェアリングが出揃い、残りはLE-9のType2エンジン。着実に進めていきたい」、三菱重工側のマネージャの北山さんは「全てのフェアリング形式が出揃うと、今後の受注活動にも弾みがつく。実績がある方が説得力があるので、着実に打ち上げたい」と思いを述べました。

画像:JAXA
H3の運用面でこれまでと違うところは、初の惑星間軌道への打ち上げという点です。
長時間の飛行になるため姿勢制御用のガスジェットも、ヒドラジンタンクを満タンにして供えています。更に、打ち上げ能力をめいっぱい使うために第一段のスロットリングをしないなど、運用面での工夫があります。
また、第2段は地球上に落下せず、惑星間軌道に向かいます。このため、火星への衝突確率を減らす必要から、火星からなるべく遠くに逸れる軌道に向かわせるようにするマニューバを行います。具体的には、通常は安全化の一環として行っている、ペイロード分離後にタンクに残ったガスの放出シーケンスなどを利用するとのこと。
探査機側としては、分離後の自動立ち上げからの第1可視(ファーストパス)までが重要で、ここで太陽電池パドルが展開して発電が始まるなど、探査機が機能するためのさまざまな初期動作が行われます。
日本としては「さきがけ」&「すいせい」、「のぞみ」、「あかつき」、「はやぶさ」、「はやぶさ2」などに続く、新たな惑星間探査機の打ち上げとなります。成功を祈っています。
文・金木利憲